Inside Story
「焦がし醤油」のテクニックをショコラからパイへと再構築
このパイは、2014年のサロン・デュ・ショコラ パリにおけるC.C.C.のデギュスタシオンで受賞したボンボンショコラ「こがし醤油」と密接な関係のあるお菓子です。ある時、鉄板焼きをいただいていたシェフ小山が、目の前で〆のガーリックライスを作る料理人の手元を見ていてふと気づいた「焦がし醤油」のテクニック。鉄板の上で醤油の中に含まれる糖分が熱され、キャラメル化することで起きる味覚の変化〜メーラード反応〜が、料理の味わいに大きく影響することを改めて認識することによって誕生したものです。2014年は、そのセオリーを用いてショコラを構築しましたが、2015年は同様のセオリーをパイに応用。さらに、柚子や一味唐辛子がブレンドされた粉醤油の特製パウダーをふりかけて「重ね味」にすることで、より立体的に多彩な味覚や食感を楽しめるひと工夫も凝らしました。